9/11
前へ
/1362ページ
次へ
「ごめんね尚ちゃん、お友達に気を遣わせたみたいで......」 「......あ、いえっ......」 絵里さんの言葉に、慌てて笑顔を作る。 「彼女、学校のお友達?」 「あ、はい」 「仲良しなのね、お休みの日にまで一緒にお買い物なんて」 「はい、まぁ......」 私の苦笑いに、ニコッと笑顔を返して来た絵里さんは、運ばれてきたカップを持ち上げ、コーヒーに口をつけた。 「あ、もしかして、私が電話した時に尚ちゃんの家でご飯食べてた友達、って、彼女かしら?」 そう言えば、梨花が来てた日だっけ......あの電話があったの...... 「あ、そうです。たまに家で一緒にご飯食べてて......」 考えないようにしていたあの日の記憶が、ハッキリと蘇る。 .
/1362ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1572人が本棚に入れています
本棚に追加