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「あの時私、てっきり、相手の子は男の子かと思っちゃったのよね」 「だっ、だからそれは......」 「やだもう、だから冗談だってば......」 絵里さんは、私をからかうように、クスッと笑った。 そう言えば、あの時もこんな風にからかわれたな...... 『やだ、一人だからって男の子連れ込んでるとかじゃないわよね?』 『そっ、そんなわけっ......』 あの日の絵里さんとの会話を思い出しながら、 ......あれ? カップを持ちかけた手を、ピタリと止める。 私......絵里さんに、いつも一人で家にいるなんて、言ってない...... 気付いた瞬間、私の胸が、ドクン、と大きく音を立てた。 .
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