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「なんでだよ、なんでお前らは俺と同じクラスなんだよ。せめて秦野と一緒なら…」
時は昼休み、ごはんを食べてハッピーなはずだったのに三春に毎度のことながらいじめられる日々に憂鬱になる。
「なによっ!遥ちゃんのばか。っていうかどんだけ私はあなたに宿題を写させてあげてると思ってるの?」
湊が返す。
「そうだぞ。これを機に勉強に励むことだな。秦野といえばあいつにもきちんと勉強してもらいものだ。毎度毎度赤点とりやがって…」
進藤も返す。
「それにしてもなんでみんなESPについてあんな詳しいんだよ!」
俺は正直驚いていた。
実は俺は特性検査について受けた記憶もなければ存在も知らなかったし、そんなESP所持者がその能力専門の教育を受けていることも知らなかった。
「何いってんだ。あれくらい誰でも答えられるぞ。そうだな、あえて言うと男子には厨二病という病にかかる時期がある。その主な病例は邪眼が目覚めるとある日いきなり言い出したりすることだ。そのときに徹底的に調べたんだ。ESPについてな。」
「あらキャプテンでも、厨二病になるのね。驚き!でもESPって憧れるわよね!私ならフェロモンを出して同性をメロメロにする能力がいいな!」
そういうと俺にウィンクしてくる。長いまつ毛がぱちりと音を立てているみたいだ。
「俺は…」
俺たちは小さな男の子に戻ったようにESPについて話し続けていた。
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