異変

13/14
前へ
/87ページ
次へ
俺の足がガクガク震えている。こんな時、さっきのカラオケで秦野が言っていたようにESPを持ってれば立ち向かえるのかふとそのようなことが過った。 「ふーん。さすがに覚えてないんだな。いい加減こっち向けよ。」 男が言葉を放った。 俺は暗示が解けたようにそしてはじけるように振り向いた。まるで本能に従う獣だ。 『お久しぶりだな。朱い瞳のうさぎさん。』 心に直接響く声が俺のすべてを揺さぶった。 最後に見た声の主は青白い光を体から放っていた。そしてなにより印象的だったものは、切れ長の目の中に居座る青白く発光した瞳だった。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加