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「…で、絶対安静のはずのあんたはなんでフラフラと外に出てるのよ。」
チカは尋ねる。
ちなみに最年長ナースの昨日の怒りには絶対安静なのに外に出たことも含まれる。
「いやー、やっぱ健全な高校男子たる者、適度な運動は必要だと思いまして。」
そう言ってヘラリと笑うとチカはそれは重くため息を吐き出した。
「あっそう。ところで、手に持ってる袋の中身はやっぱジャソプ?」
このチカの問いに俺の頭に雷が落ちた。
どんなに母さんやチカに言われても買うのをやめることができなかった少年の夢・ジャソプ。
つまり俺は週刊少年ジャソプ中毒者なのだ。
それなのに俺は毎週月曜日という発売日を忘れていた…。
俺はショックで手に持っていたビニール袋を落とした。
すると、コンタクトのクリーニング液の容器が床に転がった。
そして、チカはこの世の終わりのような顔をした。
「まさか、あんた重度の記憶障害?…本当に大丈夫なの!?」
俺の買い物袋の中身を見たことを機に本気で心配しだしたのだ。
…なんだ、この切なさは…
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