その幕開け

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牢を出たエドガーは詰め所のハミルトンの部屋に彼を寝かした。 しばらくして、ハミルトンは目を覚ました。キョロキョロと辺りを見回してエドガーの姿を見つけると、全て理解したのかがばっと起き上がった。 何か言いかけるのを制してエドガーは言った。 「もうしばらく休んでいろ」 「はあ。申し訳ありません」 ハミルトンは小さくなっている。敬愛する前隊長の前で気を失うという失態を演じたことを恥じているのだろう。 「気にするな。あの子のオーラが異常なんだ」 エドガーでさえ、あんなに膨大なオーラは感じたことがない。見たところ彼女も必死で抑えているようだがあれは抑えようとして抑え切れるものじゃない。 少し考えてエドガーは口を開いた。 「彼女に会わせてみたい人物がいる。連れてきてもいいか?」 あんな尋常でない量のエネルギーは感じたことがない。けれど、それと同質のものなら感じたことがある。そして、あんな量のエネルギーを常に放出していては体がもたないだろう。効果があるかはわからないが、封印術のエキスパートも知っている。後者は裏の事情にも詳しかったはずだ。どちらも今の職場の同僚だった。 ハミルトンはしばらく考えると頷いた。普段なら考えられないことだが、事情が事情だ。ハミルトンは藁にも縋る思いだった。 「お願いします」
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