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一度外に出たエドガーは首に掛けたペンダントを取り出した。碧い石が付いている。
「バルト、聞こえるか?」
石に向かって話し掛けると、石からは訛りのある男の声がした。
「おう。なんやエドガー」
「ちょっと頼みがあってな」
「ん?お前が頼みやなんて珍しいやないか」
おどけて言うバルトにエドガーはため息を尽きそうになった。この男はいつもふざけたような態度をとる。
「バルト、一つ確認するが、お前は封印術が使えたよな」
「ああ。それがどないしたんや?」
「人の発するエネルギーを封印することはできるか?」
「人の発するエネルギー?」
「ああ、そうだ」
石の向こうの男は黙った。
「できひんこともない。お前が頼みたいんてそのことか」
「頼めるか?」
はあ。とバルトがため息をつくのがわかった。
「…エドガー。今どこ?」
「スフォルツァだ。来るなら叡刃も連れて来てくれないか」
俺はまだ行くて言うてない、とかなんとか言っているのを聞き流す。
どんよりと曇った空を見て、エドガーはため息をついた。
一一とりあえず、奴らが来るのを待つとしよう………。
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