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「いくつか君に聞きたいことがある」
彼女は再び目を閉じた。
「私に答えられることは少ない」
「それで結構」
エドガーはいくつか質問をした。彼女はその全てに的確かつ簡潔に答えていった。
ただ、ハミルトンの言った通り組織のことに話が及ぶと口を鎖した。何度か違った角度から突っ込んでみたがどうやら彼女は頭もきれるらしく、沈黙を守った。
自分のことについては聞かれたら答えた。けれど、一つだけ、彼女が答えられない質問があった。
それは、名前。通り名はあった。本名は知らなかった。
それが、エドガーをひどく切ない気持ちにさせた。
そして、
「そろそろ貴方がたはここを離れた方がいい」
彼女が言った。
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