絵本・チョコレート・電話

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「ケーキはショートケーキとチョコレートどっちがいい?」  ママにそう聞かれてボクは どっちも! と答えたが「どちらか一つ」と言われ仕方なくチョコレートを選んだ。  もう一週間後はクリスマス。そろそろサンタさんに電話しなきゃ。  2日前パパにプレゼントは「何が良い?」って聞かれたけど サンタさんには自分でお願いしたい と言ったら「じゃあ、サンタさんは忙しいから必ずクリスマスの一週間には電話するんだぞ。」と言って、ボクに11コの数字が書かれた紙を渡してくれた。  2日間悩んだけどプレゼントはあの絵本にしよう。すごく大きくて絵が飛び出て来るんだ。  ボクがママに サンタさんに電話していい? と聞くとママは「良いわよ 何をお願いするの」と聞いてきた。ボクは 秘密 とだけ言って電話の前まで走って逃げた。  ママやパパには絶対教えないんだ僕とサンタさんだけの2人の秘密。  電話をかけたらサンタさんはすぐ出てくれた。 もしもしサンタさん?ボクねクリスマスは絵本が欲しいんだ それもただの絵本じゃなくて、すご~く大きくて、絵が飛び出て来るやつ 「ふむふむ、分かった。大きくて絵の飛び出る絵本だね?君がクリスマスまで良い子にしていたらわしが持って行ってあげよう」少しこもった様なその声はパパにそっくりだったけどきっと気のせいだ。ボクは元気に うん!約束だよ!! と言って電話を切った。  夜になってパパが帰ってくるとパパはボクに「サンタさんに電話したかい?」と聞いてきたから うん!ちゃんとしたよ でねサンタさんの声パパにそっくりだったよ と答えたらパパは静かになってしまった。けどそんなことは気にしないんだ。早くクリスマスが来ればいいのに……  一週間後クリスマスが来た。朝起きた僕の枕元には、サンタさんにお願いした通りの絵本が置かれていた。僕は嬉しくて、その日は日が暮れるまでずっと絵本を読んでいた。  夜になるとママが「ご飯よ」と言ってボクを読んだ。ボクがママのところに行くと、なんとケーキが2つあった。ショートケーキとチョコレートケーキがどっちも!だ。ママを見るとママは「特別よ」と言って笑った  パパも帰って来てママと三人でご馳走を食べた。パパに、サンタさんが欲しかった絵本をくれたんだ と話たらパパは嬉しそうにしていた。
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