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クラスが一斉に立ち上がる。
こういうときやっぱり宇津さんは凄いと思う。
命令口調だし、全然仕事しないし、
大会練習だってまともに出たことなんて一回もなかった。
チーム編成も練習メニューも宇津さんが勝手に決めた。
それでもクラスが文句を言わず
練習をこなしたのは実際に全員が上達できるメニューだったから。
そのチーム編成が自分たちにとって
ベストなものだと知っていたから。
だけど俺がここまでやる気があるのはクラス団結ができたからだけじゃない。
「うーつーさんっ」
その瞬間宇津さんは最大級に不機嫌な顔をしてこちらを睨んできた。
ちなみにこのクラスで『宇津さん』と呼ぶのは俺しかいない。
「…あんたのせいでなんで私」
「あんたじゃありませーん。」
「………仁のせいでなん」
「そういやさぁ」
さっきのやつの文句が出ることなんてわかってたことだから俺は宇津さんの話を遮る。
「宇津さんて何でんの??」
「……バスケ」
「俺もなんだ。ね、俺らでちょっとゲームしない?」
「………は?」
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