4月

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そんでもって放課後、委員会。 一応宇津さんもいる。 半分寝てるし不機嫌だけど。 「では、始めたいと思います。 まずクラス順にクラス現状と目標を───」 1年A組から順に話していく。 すると宇津さんが俺の裾を引っ張ってきた。 「………なんすか?」 何故かタメ語で話せない俺。 「私が喋る。」 「…………へ?」 そう言っていつも通り、 宇津さんは音もなく席を立った。 「我がBクラスは普段は明るく賑やかですが授業の時は集中できる、けじめのあるクラスです。入学してまだ数日しか経っていませんが────」 さすが学年トップ………。 よくもまぁそんな思ってもないことをつらつらと………。 「はい、いいですね。 ではクラス目標は?」 「っ……………。」 辺りが静かになった。 あれ…………? 隣を見てみると、宇津さんは下を向いて拳を握りしめていた。 そうか。 こいつ寝てたから……。 ………しゃあねぇなぁ。 「んじゃこれは俺が。こいつばっかカッコイイこと言わせちゃズルいすからね。」 皆が笑ってる中、一人舌打ちしてたのは気のせいだと思っておこう。 ────────── ──────── ────── ──── 無事委員会が終ってそれぞれ帰る準備をし始めた頃。「なんで、あんた。」 宇津さんは納得行かないご様子。 「いやぁ、だって、うん。」 なんとなく濁す。 だって言葉にしたくなかった。 しなくてもわかってくれるべ。 頬を膨らませてるの見たら、案外可愛い奴なのかもって思えた。 もう敬語の必要はないかな。 「つか、あんたって言うのやめない?」 そう言うと宇津さんはじっと俺の方を見た。 「……ちょっと借り作ったからっていい気になんないでよね。 ………………でも助かった。 ありがと………………仁。」 眉間にしわを寄せながら、少し恥ずかしそうに目を逸らし、そして心外だとでも言いたげに口を尖らせながら出たその言葉。 「下の名前でもいいのに。 俺も下で呼んでい?」 「………自分と同じ漢字なのに下で呼ぶの絶対やだ。 ちなみに私のこと下の名前で呼んだら半殺しにする。」 仲良くなるにはまだまだ先が長いや。 _
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