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家出を初体験してしまったあたしはコンビニの雑誌コーナーで2時間を潰した さすがに店員からの視線が痛くなってきた頃、あたしは兎に出会う ピンポーンだか分かんないけどコンビニ独特の誰かがドアを潜ると鳴る、あの音がこだます 入ってきたのは、どうやらイカツい若い男らしい と、言っても、あたしもまだ高校を卒業したばかりの18歳。若いなんて言っても差程あたしと年齢は変わらないだろうけど 雑誌からその男に視線を映し見ると制服。つまり、あたしよりも年下の学生 いくらイカツくても年下なら怖がる必要なしと雑誌に視線を戻す 「ねぇ、お姉さん」 うわ、話し掛けてきたよ。邪魔しないで。今、いいとこなんだから 「なんか奢るからさ、俺に着いてきてくんない?」 なんだよ、どこに拉致する気だよ、止めてくれよ 「なぁ、聞いてる?」 年下のくせに敬語じゃないし 「聞いてる。けど、行く気ないから」 きっぱりと断ってやった けど、やっぱりイカツい兄ちゃんの顔は怖いから雑誌を見ながら言ってやった 文字なんて霞んでて、なんて書いてあるのか解らない。もし文字が見えてもその文字を理解できないと思う それほどに怖かった 「あ?」 こいつ、キレたかも! 「いいから来いや」 ひぃぃいぃぃぃ!!!! 行きたくない!行きたくない、けど男に腕を捕まれて強制的に外に連れ出される 「なぁ、俺の言うとおりにしとけば痛い思いしなくて済むから」 反抗したら何すんだよ! 「ねぇ、離してやりなよ」 その声は当然この男のものではないし、あたしもこんな低い声ではない 「聞いてんのかよ、おい」 その声の主はさらに低い声で男に話し掛ける 「‥‥‥‥篠崎要‥」 あたしの腕を掴んでいた手の力が段々となくなり、あたしは自力でその手から逃れた
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