序章

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彼はその壁のような物を、手探りで丹念に調べ始めた。それは硬く冷たく、上質な絹の様な肌触りだった。 彼はそのまま右側へ移動した。 (なんだ?[あれ]とは感触が違う気がするな。) 彼が移動した先には、先ほどの物体とは違い円みのある物が転がっていた。 彼は[それ]を拾いあげたが、直ぐに落とした。[それ]が何か分かったからだ。 彼は半ば気が気では無い状態だった。それは自棄になるとここから出れないだけでなく、自分も何者かに殺されると思ったからだ。彼は涙目になりながらも壁を調べる亊は怠らなかった。 (何でだ?何で俺がこんな目に…。一体いつから俺はここに居る?確か目覚める前の最後の記憶は…。)
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