序章

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「もしもし」 「今どこにいるの!?」 電話越しに女の怒鳴り声が聞こえた。男はその声に辟易しながらも答えた。 「家だよ」 「なんでまだ家なのよ!約束の時間はとっくに過ぎてるのよ!?」 「どれくらい?」 男は悪びれる様子も無く、淡々と言葉を返していた。 「もう一時間は過ぎてるわよ!」 「そんなに待っててくれたのか。ありがとう、お前はいい女だな。」 「ば、バカな事言ってないで早く来なさい!!」 ツーツーと通話終了の音が受話器から聞こえ、男は気だるそうに動き出した。
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