20人が本棚に入れています
本棚に追加
朝六時、舞花は朝食を作り終えていた。
だが、まだ武人は起きていない。
「大樹さん
亞木さんを起こしてきてくれませんか?」
『あ、いいよー
ちょっとまっててね』
大樹はそう言い、武人の寝室に向かった。
少しして……
「うるせえっつってんだろ!!!
耳腐ってんのか!!!」
“いつも通りの怒号が聞こえた”
最初らへんはかなり驚いたけど、最近はもう慣れてしまった。
最初起こしに行こうとした時、舞花は大樹にすぐさま止められ、大樹が武人の寝室に入った後すぐその意味が分かった。
毎日、武人の朝は怒号から始まる。
そして、その怒号を受けるのは大樹。
何だかもう慣れてしまったらしい。
カチャリとドアが開き、明らかに不機嫌な武人が顔を出す。
武人は低血圧でもある。
こんな何でもかんでもが揃った人はそういない。
「おはようございます。亞木さん。
朝食できてますよ」
「おう……」
ムスッとした顔のまま、席につく武人。
事務所にはお客様用の客間と、武人の部屋、舞花の部屋、そしてリビング。
そしていくつかの物置がある。
武人は無言でモグモグとご飯を食べている。
「雪代」
「はい?」
「デザートは?」
「今日はヨーグルトのブルーベリーです」
「そうか」
一週間で舞花は武人の好みなどが色々分かった。
最初のコメントを投稿しよう!