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「とりあえずリビング……じゃない、客間かな?に行きましょう」
そう言った舞花はチラリと大樹を見た。
大樹はその意味を察し、頷く。
そして、大樹の方は咲の方に向かった。
『舞花ちゃん……
あの子凄いな初仕事だって言うのに慣れた感じで……
サポートに来たはずなのに僕いらない感じだな……
以前にこんな感じの仕事してたのかな?』
大樹はそんなことを言いながら咲を前にする。
――――――……
「なるほど……。咲ちゃんは遊園地に行きたいと、でも、御両親は仕事で忙しく、そんな暇はないと言った」
「はい。でも、咲は聞かなくて……どうしても行きたいと言って聞かなくて……
それで、仕事でイライラしてた私はつい咲をぶってしまって……
夫もストレスが溜まっていて、咲に『気に入らないのなら出て行け』と怒鳴って……
咲は……本当に出て行ってしまって……
夜道を飛び出して……車に……はねられて……」
ポタポタと皐月の握り締めた手の甲の上に涙が落ちる。
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