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「えーと咲ちゃん
あなたは自分がもう死んじゃってるってこと……自覚してるんだよね?」
『うん』
「それで、死んじゃう前の記憶はある?」
『んーと……
お母さん達に遊園地に行こうって、話をしてから覚えてない』
「そこがあればいいの!
遊園地に何で行きたいと思ったの?」
『だって楽しそうだったんだもん』
いたって普通の返答に舞花は少し困る。
「えーと……それ以外に何かない?」
『えー。んーと……分かんない。』
「些細なことでもいいから」
『えーと……
あっ!遊園地のお話をする前にアタシの相手とお家のお掃除を任せられてた吉田さんと何か相談してた気がする!』
「何かって?」
『覚えてない
でも……大事なことだった気がする……』
「えーと……じゃあその吉田さんは今もこの家に?」
『ううん
もうやめちゃった』
「そう……
大樹さん、すみません
咲ちゃんと一緒に暫く遊んでてください」
『え!?また!?』
『わーい!じゃあまたお馬さんね!』
咲ちゃんは普通に喜んでいる。
その間、舞花は再び皐月の元に向かった。
「奥さん。すみませんがここで働いていたと言う吉田さんと連絡がとれませんか?」
「え?吉田さん?
一応電話番号はありますけど」
「教えてください」
「あっはい。でも……吉田さんが何の関係が……」
「咲ちゃんは遊園地に行きたいと言う前に、その吉田さんと相談をしているんです
咲ちゃんは自分が遊園地に行きたいということ以外に何かあったのかも知れません」
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