生活のため

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「随分若いな。ちゃんと家事出来んのか?」 少し怪しむような瞳に舞花は胸を張って答える。 「はい!母からいろはは教わりました!家事は全てこなせます!」 「ほぉ……そこまで言うなら面接は実技で見る」 「実技?」 男性は煙草の煙を吐き、ポケットから財布を出し、千円札を出した。 「今からオムライスを作れ 材料はこの千円で全て買って来い 一人前でいい 美味ければ採用 不味ければ不採用 千円も返してもらう」 「え?あっはい!」 「いいか?材料費も出来るだけ節約しろ レシートも持ち帰れよ 無駄遣いだと判断した分はテメーの金から払ってもらう」 「分かりました 節約家なんですね」 少し関心したように言う舞花の言葉に返事が返ってくる。 『武人のはがめついって言うんですよ お嬢さん』 その声は黒髪の男性の後ろから聞こえた。 よく見れば男性のソファーの後ろで拭き掃除をしている人が居た。
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