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「城崎冬真ああああぁぁぁっ!! あんたの仕業だって事は分かってんだよ。今すぐ出てこいぃぃぃ!!」
「クックックッ――やはり、藤原が引いたか」
背後からの声に勢いよく振り返ると、そこには案の定城崎冬真がいた。
何故か一人だけ詰襟の学ラン姿で……あぁ、そっか生徒会長だからか。
悪魔的な笑みを浮かべ銀縁眼鏡を押し上げるその様は、正にドS眼鏡。しかも生徒会長になってこの学園を支配しようとしているから、恐ろしい。
艶やかな黒髪は、その腹黒さの如く。世間一般的に綺麗と評されるその容姿は、悪魔の如く。
私の敵であり、敵でしかないそいつを、私は睨み付けてやった。
「君の引きの強さと、女性とは思えん言葉使いには、この俺でさえ感心する」
「うるさいっ!! これ、あんたの仕業でしょっ!? 『小麦粉か何かだ』って結局、何なのよっ!?」
「ふん、そんなことも知らんとは……藤原はやはり馬鹿だな」
「くっ――そういうあんたは知ってるんでしょうね!?」
言い返したいのに、言い返せない。
自分の頭の出来がよろしくないことなんて、自分が一番分かってんのよっ!!
「当然だ」
勝ち誇ったような城崎の顔に、頭がクラクラした。怒りに頭の血管が破裂しそう――
「分からんに決まっとるだろう」
「お前が馬鹿だあああぁぁぁっ!!」
怒りに任せて、城崎を一本背負い。宙に舞った姿は確認したけれど、多分うまいこと着地するに違いない。
予想通り、何事も無かったかのように着地した城崎。
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