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森のフィールドにある拓けた場所で、最も手前にいるフォレストウルフに素早く接近して戦闘を開始。
右手に装備した片手剣類の定番、ロングソードを上段から頭部へ一閃。
赤い火花にも似たエフェクトが散って、フォレストウルフのHPの約四割を減らすことが出来た。
「グルルル……ガゥッ!」
フォレストウルフは牙を剥き出しにして低く唸ると、攻撃が無事ヒットして一瞬なりとも気が抜けたのを見透かしたように、その全身を躍動させて噛み付いてくる。
舌の動きやら涎までもが鮮明に見える。
「っと、ヤベッ!」
咄嗟に左半身を前に出すと、淡く光を纏う盾類防具、バックラー。
「ぐぅっ……!ふっ!」
左腕に装備していたそれで受けると、腕を引き気味にして右へ流す。
HPバーが数ドット分削られたが、全く問題は無い。
直後、ロングソードが青いエフェクトに包まれ、突き出された剣はフォレストウルフの体を貫いた。
盾装備専用カウンタースキル《スプレッド》。
スキルの効果、プレイヤーの攻撃力1.5倍の値プラス自身の攻撃力15%分のダメージを受けたフォレストウルフは、その残りHPを全て削られて絶命。
躯を地に横たえたフォレストウルフは段々と体色が薄くなっていき、やがて霞の如く霧散した。
「フゥ……。」
つまるところ、この一瞬の油断と焦り、戦闘状態から解放されたことに安堵したのがいけなかったのだった。
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