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「すいません!私これからデートなんで、坂上さん代わりにいいですか?」
...まただ。
手を前に合わせてお願いのポーズをしてる同僚。
その子の背にある時計にチラッと目をやった。
定時を回っている。
『いいわよ。楽しんできなさい。』
ため息一つつかず、私は笑顔で後輩を見送った。
もう何回目だろう。
昨日も一昨日も誰かの代わりに残業をした。
知っている。
みんなが私のことを
頼めば断らない人と噂していることを。
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