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教卓に着くと直ぐに授業開始の挨拶をするよう促され私は席を立つ。
「起立」
そう言うと教室内に居る全員がガタガタと音を立てて席を立っていく。全員が立ったことを確認した後、続きを言う。
「…礼」
軽く頭を下げて最後に席に着けば早速授業が始まった。
教科にもよるが午前中の授業は長く感じるのに、何故か午後からの授業は短く感じるのだ。
「…ふぅ」
ずらりと黒板に書かれた文章は大体写し終えほっと一息つく。早いもので授業の時間は、残り10分になっていた。
書いていたシャーペンを止めてふと思い出す。
(今日は厄日かな…)
先程の事と言い門井君が名前を知っていたのは接点は、少ないが一応クラスメイトだと言うことで理解は出来たがあんな……告白の様な事を言うなんて、まだ理解し難かった。
一目惚れと言うモノもあるらしいが、初対面に近い状態の彼と私。
何度も繰り返すが人気者で所謂不良の門井君と真面目な私とでは互いに、正反対な存在だ。
門井君は真面目な顔で言ってきたけど……私にはどうしても信じられない。
そこまで考えてチャイムの音で我に返る。
そうだ、こんなことばかり気にして考えて居ても解決はしないし私には分からない。と門井君との事を考える事を止めた。
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