38人が本棚に入れています
本棚に追加
/88ページ
多分いや……きっとあの日、普段は寝ている彼が何時ものように寝ていれば関わることはなかったと思う。
珍しく今日は起きているんだと思いながらあることに私は気付いた。
そう、目の前にある大きな黒板に書いてある日付のすぐ下を見てみるとそこには、日直と書かれていて……そのまた下には綺麗な文字で【花木】と【門井】と書かれていたのだ。
「……え…?」
と授業中にも関わらず思わず小さくすっとんきょうな情けない声が溢れる。
まさか、と思いつつ再度確認してみたがやはり現実は変わらない。
私と門井君が今日の日直…?恐る恐るちらっと斜め後ろの席を確認すると今日に限って彼、門井君は起きていた。
門井君とは同じ地区に住んでいるので小学校から今の高校まで同じ。だけど話したことは僅かに数えられるぐらい、数回程度しか話したことは無い。
それに正直、私は所謂不良と言われる存在で周りの認知度も高い彼が怖かった。
―――ああ…どうしよう
頭を抱えたくなる。あわよくば保健室で寝かせてもらうか早退を……なんて出来ないと分かっていても、逃げたくなる。
(あ、でも私が一人でやれば問題ないんじゃ…)
と今の自分には助け船のような提案が浮かんだ。そうだ、私一人で日直の仕事をやれば何も問題はないはず。
最初のコメントを投稿しよう!