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目覚めたら次の世界だった。
何もかもが白い世界。
私が横になっていたベットも床も壁も『モノ』と言えるものは全てが白い色。
影もない。
ノックをする音が聞こえたかと思ったら真黒の服を着た人がドアから入ってきた。
重い上半身をゆっくりと起こす。
人は嘯いた笑顔を私に見せた。
「世界に存在する稀な生物とでも言うべきか。
さぁ、おいで。皆に紹介しよう」
手を引かれてドアを出る。
ドアの向こうは極々普通な世界だった。
白ばかりの部屋はあの部屋だけだったのかもしれない。
延々と続く狭い廊下を歩きながら辺りを見渡す。
此処は次の世界だとそう思っていたけどちゃんと重力に従っている自分がいる。
急に廊下が広くなった。
左を向けばそこは教会のように大きなステンドグラスと十字架が飾られている。
もし、この世界があの世だとかすればこんなことはしないと思う。
この世界がこの世だからこそ神を信仰するこのようなものが飾られている。
何故、助かったのだろう。
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