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木々の隙間からひだまり
辺り全ては木しかないから多分森の中だと思う。
私の横に新しく立てられたような社
そして、目の前に知らない男の人
逆光で顔が見えなかったけど肩に二本の毛束にとめ具の変わりなのか鈴がある
ちょっと動くだけでチリーンと鳴る。
格好も現在じゃあ珍しい着物で手には変わった華を持ってた。
「…名は?」
悲しい声…普通話してるつもりだけど私には胸が詰まる。
「…なんで泣いてるの?」
発した言葉に少し後悔した。
(何言ってるの!?
顔も見えてないのに)
自分で口を塞ぐ。
彼はクスっと笑い声が聞こえた。
「おなごに心配される俺じゃあお終いだな…
お前だったら俺を―――。」
最後の言葉を聞く前に強い風が私の体を覆った。
「―巫女、今度は迎えに行くよ。」
・
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「ッ!!…ゆ、夢…か…」
勢い上半身を起こす
完全に日が落ち社の中も真っ暗闇だった。
『今度迎えに行くよ。』
風と共に聞こえたその台詞
全身がガタガタと震え始めた。
「夢なのに…なんでこんなにあの人が怖いの…」
チリーン
ビクッ!
反射的に顔をおった
―鈴が落ちてる。
とてもあの鈴が怖く社を飛び出した。
「なんで…」
外を出て唖然とした
今の季節は秋なのに一面桜が咲いてる。
「はは…私まだ夢見てるの…」
でも、桜を眺めると不安より喜びが大きい
私の最期を迎えるのに最高な光景。
走って裏に回った。
枯れてたはずの樹も咲いていた
見たこともないような赤い華。
椿にも見えるようだけど椿じゃない。
「…神様ありがとう」
これは夢だと確信してるでも、こんなに素敵な光景が見れた。
落ちる花びらと一緒に舞い踊る。
「…喜んでくれた?巫女様」
私はゆっくりと樹に身体を向ける。
樹の陰にひょこり小さい女の子が出て来た
顔の頬はまるで蛇肌のようで薄い緑色がかかってた
服もこの神社に似合う装束。
「誰?これは君がやったの?」
「うん!巫女様が喜ぶかなって♪
だって、わっちい巫女様大好きだもん」
初対面なのにその女の子はまた木に隠れ私の様子を疑う。
その仕草が可愛らしく思わず笑った。
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