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今夜はやけに冷える 今にも雪が降ってきそうな鉛色の空だ。 『獄寺君こんな寒いなか外に居たら風邪引いちゃうよ?うちにあがっていったら?』 と緑色のツインテールのこの少年より一つか二つ上だと思われる少女がちょこんと少年の隣に並んだ。 『寒くなんかねぇょ。あっちいってろお節介女』 心とは裏腹のことを言ってしまう。 すると彼女は白い手で少年の手を掴み、『風邪ひいたら明日学校いけなくなっちゃうでしょ。本当に獄寺君は素直じゃないんだから』と言った。 彼女の手は暖かい。 反対に自分の手は冷たかった。 『こんな時間に男を連れ込んだらリナリー!リナリー!馬鹿騒ぎするだろ』 『兄さんは出張でいないから大丈夫よ。さぁ、入って』 と言い玄関の扉を開けた。 →続きます
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