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その夜から一週間が経過したが、くるとんとクポ助はなついた犬のように毎日学校などで俺に顔を見せにきていた。
カランコローン
『一茶兄ぃ!早いな、もう来てたの!?』
『ハハッ!今日は昼休みと同時に早退してきちゃったからな。』
俺はたっこいらハイライのメンバーの四人でカードゲームをして午後の時間を潰していた。
その向かいのボックス席にくるとんとクポ助は座って煙草に火をつけた。
『一茶クン、今日はお願いがあって来たんッスよ!』
クポ助がやや肩をすぼめて言った。
『なんだよぉ、改まっちゃって。』
『あのさぁ…俺らとキャバクラに付き添ってくれないッス?俺の彼女が働いてる店なんッスけど…。』
『はぁ!?なんだよいきなりっ!?』
『それがさぁ、コイツの彼女めっちゃ可愛いっ言ったじゃん。店でもどうやら今、No.2らしいのっ!』
と、くるとんが言ったあとクポ助はその後を言い辛そうに背中を丸めた。
『ははぁ~ん。で、そのモテモテであろう彼女が気になって気になってしょうがないってトコか!?』
と、そんなクポ助にたっこいが半分ニヤケ顔で突っこんだ。
『お前なぁ、男ならドーンと構えとけよぉ!』
柄にもなくモジモジ戸惑っているヘビー級ガタイに俺は強めの口調で言い放った。
『一茶兄ぃ、俺からも頼むよ!俺ら数える程しか行ったことないからさぁ。』
『俺だって、そんな滅多に行くわけないだろ!!金だってねぇしッ!!』』
そこへ、アイスティーを運んできたマスターが
『で、クポちゃん何て名前の店よ?』
『club DIABLO(ディアブロ)って名前らしいッス。』
『ほー、DIABLOかぁ!?それなら俺がナシ付けといてやるぜ。』
と、カウンターに戻りケータイを取り出した。
『……ぉう、三名だ、そう今夜。平日だしセット3000でイケるよな?たのんだぜ……』
電話を切り終えマスターはコッチへ向かってOKサインを作ってみせた。
『マスター!アザッス!!』
2人は一気にテンションを上げた。
『ったく!』
ここまできたら断るわけにもいかなさそうだ…。
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