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『一茶クン、マジありがと!マジ助かったッス!』
『礼ならマスタに言ってくれよ、3000なんて破格だぜ!?』
三人は肩で風を切り飲み屋街へ向けて颯爽と歩いていた。
通りにはだんだんと煌びやかなネオンライトが目につき始めた。
下卑た顔つきの客引きや思わず足を止めたくなるミニスカートのキャッチの姿が、おびただしく増えてきた。
このスリープレスタウンのほぼ中央の一等地の集合ビルに黒地に白くボカシたような文字で『club DIABLO』と描かれたウェルカムボードが掲げられているのを発見した。
6Fと書かれていたがその場にいた客引きのボーイに声をかけた。
『小林だけどぉ、入れてもらえるかな…?』
『ハイ、小林様三名様ですね?伺っております。6Fフロントまでお上がりくださーい。』
と、精錬された応答で奥のエレベーターに案内された。
『club DIABLO』
フロントで3セット分の前金9000を支払った。
クポ助だけは指名料金は別途でしっかり取られていた。
室内はモノトーン色とブラックライトのみのシンプルな配色。
だが、壁や中央のホールやそのサイドの段差などの構成や配置は流行りのデザイナーが手立てた雰囲気をかもし出していた。
平日の10時すぎだが、席はほとんど埋まっており、客層は二十代から三十代前半と比較的、若い世代が目立った。
俺たち三人はフロントから一番奥のシートへ通された。
クポ助は常に挙動不審で周囲を気にしていた。
いや、俺もくるとんも無駄にキョロキョロしていた。
キョロッていると、すぐに黒服のボーイがグラスやアイスの入ったセットを運んできた。
『え~、お飲み物は皆様ビールで。ご氏名の方ですが、一名様がマリさんで二名様がフリーでよろしかったでしょうか?』
『お、おん。』
三人とも若干の緊張と若干の興奮でちょっとドキドキしていた。
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