俺、小林一茶✋ ⑱才‼

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9月3日。 二学期始業式。   キーンコーン チャイムが鳴る前に既に俺は教室の席についていた。 二年F組。 そう、昨年度はゴタゴタがあって出席日数不足。 結局、人生二度目の高校二年生をエンジョイしてるわけ。 夏休みを終え1ヶ月半ぶりに迎えた教室と級友たちは新鮮だった。 褐色に焼けた笑顔をまだまだ残暑を抱いたまんまの秋風と、だいぶ緩くなった九月の朝の日差しに照らされながら、皆、新学期を迎えるモチベーションをさり気なく持ち上げられているような感じがした。 級友の皆からすれば本当は一個上の先輩だが流石に一学期を終える頃には打ち解け誰も不要な遠慮をする者はいなくなった。 4月のはじめ頃はダブりってコトの羞恥心と焦燥感でいたたまれなかった。 でも、絶対に卒業してやると確固たる意志を持つことにより何とか二学期を迎えられた。 今のところ生活態度も優秀だし。   そんなこんなで、新学期初日は終了した。 売店で買ったパックのイチゴ・オレを飲みながら下駄箱を開こうとしているところへ、 『一茶ク-ン、また悪友きてるみたいだよ~!?』  級友に軽い苦笑いを見せ校門へ足を向けた。 校門へ近づくにつれ次第に耳なりのように大きく聞こえてくる重低音。   ドゥーン ドゥーン   震源地は校門の外のフェンス際に停車されている白い70型ラウンドクルーザーからだ。 その助手席から上半身を乗り出しオーバーアクションで指小僧が叫んでいる。 『よ~!学生クーン!!お迎えに参りましたぜ~!!』 『誰もたのんでねーよ!この万年ヒマ人!』 お互い挨拶がわりに皮肉り合いながら、俺はそのオンボロランクルの後部シートに飛び込んだ。 バタンッ!   『レーッツ、GO~!!』
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