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『今日はどこ行く気~!?』
後部シートから半身を持ち上げて乗り出した。
『おう、神辺町まで集金に向かうんだよっ!キリトリってヤツよ!それがコイツが一茶んトコ寄ってくれって!!』
答えたのは指小僧ではなく、ハンドルを握ったままイソップが口を開いた。
『ぃゃ~イソップクン、コイツにも今から色々連れてっておこうって思ってさぁ!』
『俺ぁ必要ねーよっ!!』
『ぃぃだろが!どうせ学校半日でヒマだろッ!!』
助手席からまくし立てている指小僧も実を言うと三年生にアガれなかった。
ただし、俺とは違いすぐに退学届を叩きつけ社会に飛び出て行ったタイプだ。
そしてすぐに、去年とある事件でお世話になった髭SHOサンって人の門を叩き今では見習いとし勤めている。
『一茶~、お前もガッコなんか辞めちまえょ!2人でコッチの世界でのし上がってこーぜ!SHOサンに付いてりゃ間違ぇねーぜ!』
『とりま卒業してから考えさせてもらうわぁ。』
『ったく…。イソップクンからも何か言ってやってよ~!』
『ふんッ。お前ら取り合えず俺の小指返せ!!』
『プブ…ハッハハ~!!』
車内で三人とも大爆笑!
若干、車の流れが混んでいる182号線を背面タイヤカバーにデカデカと『髭』の一文字のカッティングが施されたランクルがスルスルと蛇行気味に車列を縫うように進んでいった。
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