俺、小林一茶✋ ⑱才‼

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『High-Light Up!』 総勢二十人前後の武闘派ストリートチーム。 だが彼らは自らのことをチームやギャングとは呼ばずファミリーと呼び、チーマーでなくメンバーと呼ぶ。   『たっこいはどうしたぁ?』 グラスの氷をカラカラと振りながら指小僧がボックス席に声を掛けた。 『後から来るって言ってたッス。』 それぞれ注文をしたあとハイライのメンバーたちも真新しいターンテーブルに気付いた。 『マスター!Technics新調したんス!?カッケーっすね~!!』 『コラコラ!むやみやたらにイジりまくんじゃね~ぞ!!』 とか、言いながらまたさっきと同じ様なうんちくを目を輝かせながら語り始めていた。   カランコロ~ン   『チュース!お疲れーッス!!』 舌好調マスターの講釈そっちのけで5人一同、入口に向き直った。 入口から黒Tシャツが二人とその後ろから不機嫌そうな顔をしたたっこいが姿を現した。   『ぉー、一茶!ちょっと聞いてくれよ~。』 見ると頬が真っ赤に腫れていた。 『なんだ、その面ぁ!?』 『それがさっき俺が駅前の若僧ポリ公にくわえ煙草を注意されたんすよ。』 たっこいの隣に腰を下ろしたメンバーが罰が悪そうに応えた。 『そんで俺が「俺らが誰かわかってんのか?」って、そいつの胸元を突き飛ばしてやったんよ!軽くだぜッ?そしたら運が悪い事にちょうど駅前交番に来てたんだよ!』 真っ赤な左頬をさすりながら溜め息まじりに煙草の煙を吐き出した。 『交番からミスターケーがたっこいサンを見つけるや否や張り手一発!!バチコ―ンッ!!』 『この時間の駅前だぜ!?群集の目前で俺ぁ5メートルは吹っ飛ばされたんだぜ!?ミスターケーの野郎!!!』 『ハッハッハ!そりゃお前が100%悪いっちゃ~!』 『自業自得だな、たっこい!ヒャッヒャッヒャッ!!』 居合わせた一同は爆笑の渦。 たっこいはタバコを灰皿に力一杯押しつぶし、膨れっ面のまま天井を仰いだ。 『今日はさっさと帰って寝るぞっ!』 『おお、ついてない日は、それが最善策だね。』 そう言って、俺も指小僧と『y'S』を後にした。
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