~世界一~

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「―ありがとうね」 「え?」 「三輔を貰ってくれて―」 お義母さんが、また作業にもどりながらくすくす笑う 「長男はね、ここの跡とりだから厳しく育てたの」 「…はい」 知ってる。確かデザインの学校を出て、今は有名なお店で修業中のはずだ 「次男はね、自分で道を切り拓けるようにって、たくましく育てた」 「ええ」 見た目も中身も、豪快なお兄さんだ 「三輔はねぇ…」 お義母さんが、耐え兼ねたように吹きだす 「ただただ、伸び伸びさせちゃった。末っ子で。かわいくって」 「…はい」 「でね、ちょっと手抜きしたかな。…ほら、名前も。"さんすけ"って、ちょっと投げやり。女の子、期待してたからね」 ……うん。 「だからね…」 .
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