~金曜日の夜遅く~

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「そうだ、」 茶目っ気たっぷりの瞳で、篤軌さんがわたしに向き直る 「俺ね、結構ツボなんだ。菜穂は気付いていないみたいだけど」 「何が?」 「菜穂の、無意識。立ち居振る舞いとか、色々」 「うん?」 「この家に来ると、当たり前みたいにここに来て手を合わせるとことか…」 …それは、わたしのおばあちゃんがそうしているから、なんとなく。 「ご飯、一粒も残さないとことか」 だって。おいしいし、もったいないし… 「まあ、そんな、数えきれない、いろいろ」 「うん」 ありがとう よく解らないけれど、嬉しい 頬がほんのり熱くなる 「ほら。これも」 からかうように頬をつつかれて わたしはいよいよ、赤くなる .
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