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「そうだ、」
茶目っ気たっぷりの瞳で、篤軌さんがわたしに向き直る
「俺ね、結構ツボなんだ。菜穂は気付いていないみたいだけど」
「何が?」
「菜穂の、無意識。立ち居振る舞いとか、色々」
「うん?」
「この家に来ると、当たり前みたいにここに来て手を合わせるとことか…」
…それは、わたしのおばあちゃんがそうしているから、なんとなく。
「ご飯、一粒も残さないとことか」
だって。おいしいし、もったいないし…
「まあ、そんな、数えきれない、いろいろ」
「うん」
ありがとう
よく解らないけれど、嬉しい
頬がほんのり熱くなる
「ほら。これも」
からかうように頬をつつかれて
わたしはいよいよ、赤くなる
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