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 湿っぽい通路にカツカツと乾いた革靴の音が響く。 「姫様っ!?どちらにおいでで!?」 「なっ…なぬっ!?こちらに姫がいらっしゃるのかっ!?」 ここは宮廷の地下。地下牢がある宮廷の地下である。そんな地下牢から、終身刑を昨日下された罪人が先程逃げ出したのだ。 そんなピリピリとした地下に姫が来たという。いやはや、兵士さんも大変だね。 あぁ、紹介遅れました。僕の名前は秋路。あきじな。この国、ちょっと狂ってて💧国に入って来た外国人は全員罪人。まず囚われて聞かれるのはこの国の住人にならないか、という質問である。これにYesと答えるとそのまま釈放。Noと答えると終身刑である。 まぁ、こういう国は少なくない。自分達が傷付くのを恐れ、外からやって来る者を次々に牢獄に入れたり殺したり。国民性がよく出ているっていうか何て言うか。 はあ。でも、どうしようかな。移動するにもちょっとデンジャラスだし。しかも…何?一国のお姫様がここら辺にいるらしいじゃないか。……自分が言うのもアレだが、危ないぞ? 言うの忘れていたけど、僕、ちょっと旅してて…あ、つまり旅人で、その……。はい、死刑囚です。すいません。 って、少しぼうっとしていた間に、周りが静かになってしまった。何が起きたんだ? っ!!? なんか…嫌な予感がする…。何なのだ…?
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