隣り合わせ

机

[唯５番だったぁー]

[うぁ!前の席かよ。ついてねぇ!]

クラス中が騒がしい。
私も席替えのくじを引き、席を確認する。

｢１２ばん・・・えーっと前から５番目の端かぁ。後ろでよかった♪｣

後ろの席が人気なのは当たり前。中学３年生と言う年齢は友達とも話したいし落書きもしなきゃいけない、手紙も書かなきゃいけない、先生に見つかってしまう前の席なんてなんにもすることないとそう思う時期なのである。

席を移動して自分の席に座った沙良はきょろきょろ辺りを見回し、仲良しの友達がいない事に気を少し落とし、前の席の方がよかったと後悔した。

｢あーっとよろしくね!｣
私は隣の席に顔を向け、笑顔を見せる。
せめて隣の席になったのだし話せなくては、と喋った事のない岡部くんにいろいろ質問してみたが、返ってくる言葉は一言で仲良くなれるのか不安を煽るばかりだった。