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「で、どうする?」
そこでやっと立ち止まり、黒アリスは振り返る。
彼女の唇は、楽しくて仕方がないとでもいうように歪んでいた。
──どうする?──
黒アリスの言葉が、アリスの頭の中に響く。
何故だか、背筋がゾクリとした。
だが、はじめからアリスの答えは決まっていた。
「私は……帰る。
まだよく理解出来てないけど、元いた場所に帰って記憶を取り戻すよ。」
───どんな大変な事だって、乗り越えて見せる。
アリスは、正直覚えてもいない世界に戻ろうとは思っていなかった。
けれど、自分のいるべき場所がそこなら帰るべきだと思ったのだ。
そんなアリスを見て、黒アリスは微笑む。
「それでこそ"アリス"よ。じゃあ、行きましょう」
黒アリスはまた歩きだす。
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