黒アリスハ微笑ム

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「え、でもそれって…」 アリスはキョロキョロと辺りを見回す。 黒アリスのいう"モノ"らしき物体は何処にも無かった。 「ねぇ紅薔薇。白ウサギを見なかった?」 黒アリスは、赤い薔薇に向けて話し掛けた。 『…見たぞ』 「っ!?」 何人かの女性が一斉に喋ったような声。 それは確かに目の前の赤い薔薇から放たれていた。 「あ…ぅ、わ………」 アリスはその場にヘナヘナと座り込んだ。 薔薇が喋ったのだ。驚かないわけがない。 黒アリスは続ける。 「白ウサギのとこまで案内してくれない?」 『………何故だ』 赤い薔薇は不信に思っているような声で呟いた。
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