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少女の華奢な体に似合わず、左肩に掛けてあるのは狙撃銃。
目線を下げていくと、腰のベルトには鞭。
スカートからのぞく白い右太股には、銃が収めてあるホルスターが、見えた。
「…………………」
アリスが何も言えずに口をパクパクさせていると、少女は不思議そうに首を傾げた。
「どうしたの?」
少女の綺麗な声が響く。
アリスはハッとして声を出した。
「あ、あのですねっ!その、果物を落としてますよって伝えようとして……ですね、」
アリスがそこまで言うと、少女はあぁ、と言って笑った。
本当は、彼女が持っている武器について聞きたかったのだが、そんな事を言って警戒されても困る。
アリスの咄嗟のごまかしは成功したようだ。
「アハハッ、うっかり落とした訳じゃないのよ。わざと落としたの」
「…え?」
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