― 第1楽章 ―

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気色悪ぃ… モノレール内を人が隙間なく埋めつくす 満員状態である 嫌でも人と接触するこの状況は不快そのものだが 周りの薄汚れた“心”を持つ人間どもにも心底落胆させられる 前に座っている女は 人目気にせず堂々と化粧をしている 後ろにいるやつは ヘッドホンで音楽を聴いているが 大音量で聴いているらしく音漏れしてすげぇ耳障り また 別のところで座っているやつもこの満員に関わらず荷物を隣に置いてあり 年寄りが座りたそうにしているが狸寝入りで誤魔化してやがる 自分達で築いたルールはどうした? 自分達が乗りやすくしたいからルールを作ったんだろうが 人間はどいつもこいつもそうだ 自分が良ければ他人なんてどーでもいい 自分勝手野郎ばかりだ だから ルールを破ることを平気でする 注意する側も自分に注目されることを拒み 注意できない 小心者が多すぎてヘドが出るぜ 普通『天使』という者は この間違った行いを正すものだと思われるが そんなことする訳ねーだろ 面倒くせぇ 『天使』は『天使』が起こす災いと『悪魔』が起こした災いしか解決することしかできない この“ナンバーズ”回収のように 人間が起こした災いは人間で解決するしかないのだ 自分達がまいた種を何故俺たちが処分するのかさえも 意味不明だ だから俺たち『天使』は この程度のことは解決できない いや しないのだ
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