第2章

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「……ん…」 目を覚まして、いつもと違う天井に目を疑った。 真っ白な面白味のない天井は、そこにはなくて、茶色の格子型の天井が広がっている。 ここは、どこーー? 必死に記憶を辿る。 しかし、寝起きだからか頭が上手く回らない。 私はずっと入院していて… あの日は、いつもと少し違って… 春くんと言う男の子が…髪の毛をやってくれて… ああ、そうか。 私、あんなデタラメな都市伝説みたいなこと、したんだっけ。 じゃあ、これはなにか都合の良い夢なのかもしれない。 病室と言う名のカゴから抜け出せない、私の… 起き上がると、いつもの夢では感じない、現実味のある気怠さに包まれる。 なんと現実味のある夢だろう。 その時、部屋の襖が開き、光が部屋に差し込んだ。 「ぅおう!!?」 不思議な声を出して驚いているのは、私と同じ歳くらいの男の子。 クリクリの目に、茶色がかった長い髪。 無造作に縛り上げられたその髪と、彼の服装は現代のものとは感じられなかった。 「お前!目覚めたのか!!」 …だれ?? 知り合いだっけ?? そう言われて見れば、何処かで見たような顔をしている気がする。
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