第2章

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天音の予想外の病に、俺たちは言葉を失った。 声に、寿命、だと? そんな病聞いたこともねえぞ 年々出にくくなって行くって…そんなん… 「あ、でも、そんなに…重い病では、ないんです」 だから、大丈夫。そう言って、痛々しく微笑む天音に、結局俺たちは気の利いた言葉を掛けてやることはできなかった。 * * * * * 「総司はどうせ、なんも知らねえで言ってんだろうけどな…」 俺の言葉に、近藤さんはははっと乾いた笑い声をあげる。 「いつまでたっても、子供だな。あいつは」 近藤さんはくいっと酒を飲み干すと、お猪口に酒をつぎながら語り出す。 「…ツライ思いをしているのは決して茅奈殿だけじゃないさ」 近藤さんの瞳の中で、炎がゆらゆらと揺れた。 「どうゆうことだ?」 「…誰だってそうさ。昔の自分そっくりの人間を見れば辛くなるし、その当時を思い出しやすくなる」 「その当時…を…」 ああ、そうか。 あの頃の総司は……… 今のことだけを考えて、総司の事を何も見れていなかった自分に嫌気がさす。 大きな溜息をつくと、それはすべて煙管の煙へと変わった。
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