第4章

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虐待を受けていた9歳の子に説教って!!! この人…なんてこと 「3ヶ月間そんな嫌がらせされて、なんでお前は抵抗しないのか、お前には声ってゆうすげー武器があるのに、何故戦わないのか。ってな」 土方さんの言葉を聞いて、ハッとする。 どうして土方さんが私にこんな話してきたのか…不思議だった。 だけど…。 「なあ、想像できるか?あの総司が大人しくババァにいびられてんだぜ?」 ククっと不敵にも笑う彼に、私は即座に首を左右に振った。 「だろ?」 沖田さんが…物を言えない子供だった… 今では全く想像つかないけれど。 「天音、人ってな自分がダメなところを直して変わった後……昔のダメな自分そっくりなやつ見ると、イライラしたり、どこかやるせなくなったりするんだとよ」 なぜか悲しげにそう言う土方さん。 私はそんな彼の目に釘付けになってしまう。 「ごめんな…」 その土方さんのセリフが、彼の部屋から帰った今でも、ずっと頭にこだましている。 だけど、そんな沖田さんの過去を知ったところで、私にどうしろと言うのだろうか… 確かに、ワケもなく嫌われていた理由は分かったけど… その理由が分かったところで私にはどうすることもできない。 沖田さん…幼少期の頃の自分と私を重ねて… だからいつもあんなに切ない顔をしていたの??
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