第4章

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だけど…なんでそんなことを 前に茅奈が倒れた時、まっさきに茅奈の事部屋まで運んだくせに… それに、今回だって… 茅奈を部屋に運んだのは、俺じゃない。 総司だ。 バツが悪そうな総司の顔に、俺は何も言うことができなかった。 それに、土方さんの話も、俺の中で引っかかるところがあった。 昔の自分に似ている人を見ると…ってやつ。 だってそんなこと言ったって… 茅奈は病気なんだろ…? あの時初めて土方さんの口から聞いた茅奈の病状に…俺は言葉を失った。 声を失っていく病なんて、聞いたことがなかったから。 声を出すことさえも苦痛であるだろうに… 総司に声の事であんなにも文句を言われて、彼女は大丈夫なのだろうか… まあ、そんなことを黙々考えていて仕方ないしな… 俺は意を決して、目の前の襖をトントンと二回叩いた。 中から声が帰ってくる前に襖を開き、中にいる人物を目に捉えた。 「茅奈…目、覚めたぞ」 そうゆうと、総司は本当に本当に少しだけ、表情を和らげた気がした。 襖を後ろ手で閉め、総司の前に腰を下ろした。 「あっそ。…どうでもいいけどな」 俺には決して視線を合わせずに、総司はそう吐き捨てる。あぐらをかいて、その膝に肘をつきその手で自らの顔を支えている。 その表情の殆どは、確認できない。 「総司」 名前を呼んだとしても、彼の瞳は俺を捉えなかった。 「お前だろ…?茅奈のこと、殴ったの」
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