私の声が枯れるまで

第4章

「だから…なんだよ」

予想以上に情けない声が帰ってきて、俺は驚きが隠せなかった。

今の総司が何を考えているのか全くわからない。

元々…何を考えているのか分からないところはあったが

ここ最近の総司は、今までの何倍も何を考えているのか分からなかった。

だけど、あの土方さんの言葉が間違っていないのだとしたら…

俺は、キッと総司の瞳を強く見つめた。

「総司。もう、逃げんなよ」

俺の一言に、総司は鬼の形相で睨み返す。

「あ？」

ドスの効いたその声に、俺はピクリと反応してしまう。

だけど、ここで俺が引く訳にはいかない…

「昔のダメなお前と、あいつが似てるからってなんだっつーんだよ」

「…は？」

俺をバカにしたように短く答える総司。

だけど、その瞳にはどこか焦りが含まれていた。

「あいつはお前とは違うだろ！？あいつはあいつなりに…がんばってるんだ」

「はっ…あいつなりに、な」

鼻で笑ってそう言う総司に、俺の怒りがふつふつと込み上げてくる。

だが、ここは俺が大人になって冷静に話を進めなければ…。

グッと拳を握りしめる。

しかし、静かに声を発する総司によって意気込んだ俺の声は掻き消されてしまった。

「あいつなりにがんばってるからなんだよ。所詮はあいつなり、なんだろ？努力っつーもんは人が評価するもんだろうが。…自分なりになんてな、弱えやつが甘える為に作った言葉だろうが」

一息でペラペラと話し終える総司。