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「なぁ、総司。分かんねぇだろ…?声に寿命がある恐ろしさ…」
ガッと顔を上げて、総司の瞳を見つめる。
そこには、どこか傷ついたような顔をして目を見開いている総司の姿があった。
「俺らには、分かってやることはできないんだよ…。だから…ただ一つだけ…頼むから……頼むからこれ以上あいつの苦しみを増やさないでやってくれ…」
* * * * *
#総司eyes
意味が…分からない。
平助が泣きながら出て行った後も、俺はその場から動くことが出来ないでいた。
声に寿命??
どんどん、声が出にくくなっていってる??
なんだよ、その病。
聞いたこともねぇぞ。
で、でもだったら…
俺に言えばよかったんだ。
ただ一言…
病なんだから仕方ないだろう
って。
それを言わないあいつが悪いんじゃないか。
だって、俺は言ってくれなきゃ分からないから。
意地悪なんてもんは、やるやつが悪いんじゃない。
やられる奴が悪いんだ。
だって、何も抵抗しないから。
あいつだって、俺に一度でも文句を言ったことがあるか??
それで、俺に分かってもらおうなんて…都合が良い話だ…
「……ちがう…」
ちがう。
間違ってたのは、俺か。
幼い頃の自分とあいつを重ねて…
勝手にイラついて…
あいつの気持ち、1番分かってやれてたはずなのに
分からないふりをしてたんだ…
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