第4章

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何を言われても黙っているあいつにイライラして。 むしゃくしゃしてた。 まるで昔の自分を見ているかのようで。 どうして何も言わないんだって。 そう思ってた。 今でも時折夢に出てくる幼い頃の自分に、思っていたように。 結局怖かっただけなんだ。 昔の俺にそっくりなあいつの側にいたら、いつかあの頃の弱い自分が出てくるんじゃないかって。 怖がってた。 だけど、少しずつでもみんなに意思を伝えようとしているあいつを見ている間に… 惹かれていたのも事実だった。 だけど、俺が思い出せるあいつの顔は、怖がっていたり怯えていたりする顔ばかり。 あいつは… 平助は、違うのかな。 「俺は…ガキかよ」 #茅奈eyes 左の頬をさすって、ふう、と息を吐いた。 人間関係を築くのって、こんなに大変なんだ… ましてや、私なんて人間関係築くの初心者だし。 あんな、沖田さんみたいな厄介そうな性格相手にするなんて、無理があるのかもしれない。 もしかしたら、放っておいてもいいのかも だって、沖田さんと絡まなくたって、他にも沢山人はいるし… なのに…… なんでこんなに、悲しいの。
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