第4章

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私は何故だかとても気まずい気がして、顔をしっかりうつむかせた。 ご飯を食べてる振りをして。 「ほらよ、これ、返しとくぜ」 そう言って、平助くんが何かを投げた気配がした。 何…投げたんだろう。 私は気まずさよりも好奇心が勝って、チラッと沖田さんの手元を見る。 そこには、さっき私が平助くんに返したはずの手拭いが。 「…んでてめぇが……」 「そんなの、わかんだろ?」 低くドスの効いた沖田さんの声と、おちゃらけた平助くんの声。 なんだか可笑しな会話だ。 沖田さんはしばらくそこに立ち尽くしてから、はぁとため息をつけながら今度こそ大広間を後にした。 だけど平助くん…どうしてあの手拭いを…?? 「平助くん」 もう一度声をかければ、平助くんは「ん?」と短いながら返事をしてくれた。 「あの手ぬぐい…」 「あ~…。持ち主に返しただけ」 ……え?? 平助くんの言葉を聞いて、私は目を見張った。 あの手ぬぐいが、沖田さんの物…?? ということは…? 「え…と…。よく…分かんない…」 戸惑う私に対し、平助くんはふっと鼻で笑った。 「まー、そうゆうこと!お礼ならあいつに言ってやれよ」 ニカッと笑って言う平助くん。 そして彼はそのまま大広間を出て行ってしまった。
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