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ええ~
みんな、ご飯食べるの早すぎるよ…
私はみんなよりかなり少なめに盛られたご飯を殆ど残し、みんなの後を追うように大広間を出た。
頭の混乱が、未だ治らない。
あの手ぬぐいが沖田さんの物だと言うことは…
私の頬に手ぬぐいを当ててくれたのは、沖田さんだったの??
あの優しい手は…声は…沖田さんだったの??
信じられないよ、そんなの
だって、沖田さんはいつだって冷たくて……
キュッと拳を握った。
もしかしたら、彼と仲良くなれるのかもしれない。
そう思ったら、なぜか嬉しくなった。
打たれた頬は痛いけれど…
彼の本心に近づきたい。
あなたは何を思ってるの?
何を思って私を敵視したの??
きっと、こんなに胸が痛いのは私だけじゃないよね。
私が意地悪されて胸が痛んでる分、彼もどこかで胸を痛めてる。
きっと…。
昔の彼に、私がそっくりだから…。
そんな私を見てるのが嫌だったんだよね…?
なのに、どうして今になって優しくするの…?
どうして…
考えるより先に、体が動いていた。
走るのはあんなに苦手だったのに…
倒れるほどに体力が衰えていたのに…
不思議とこの時だけは、私の体は動いてくれた。
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