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「はぁ~~~~。あいつ、何してんだよ」
平助くんは、多大なため息を吐くと、沖田さんに対する悪態をついた。
しかたないよ、私のこと、どうしても気に入らないんだから。
そう、心で思いながらも微かに微笑んで見せた。
「俺、ちょっと行ってくるな?」
「…へ??」
部屋に来たばかりなのに去ろうとする平助くんに、私は驚きを隠せない。
どこへ??
と言う意味も込めて、首を傾げた。
そんな私に、平助くんは極めて短く
「総司んとこ」
と答えた。
予想もしていなかった。と言ったら嘘になるけど、平助くんの言葉に私は目を見開いた。
「な…な、なんで??」
「あー。ちょっと…男同士のハナシ」
ニヤリと不敵に笑いながら言う平助くんに、私はまたもや首を傾げた。
「へ、平助くんっ」
「あっ、お前もしかして気になるの?男同士の秘密のハナシ聞きたがるなんて破廉恥だなあ」
平助くんのからかうような言葉に、私はついつい赤面してしまう。
「ちっ…ちがっ」
そうじゃなくて…
私は…
もし平助くんが私のために動いてくれているなら、申し訳ないと思って…
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