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そう思いながらも口を濁すと、平助くんはにっこりと微笑んだ。
優しい彼独特の笑顔は私を安心させてくれる。
「じゃあな」
よしよしと頭を撫でてから、平助くんは私の部屋を後にした。
#平助eyes
あのやろ~なにしてんだよっ!
ったくよ…
俺は茅奈の部屋を出るや否や、総司の部屋へ足を進めた。
どたどた気品のない足音を立てながら、彼の部屋を目指す。
総司の野郎、そんなにバカだとは思わなかったぜ。
本人がいるかどうか確認もしないまま、かれの部屋の襖をスパーンと開け放つ。
「そ~う~じ~く~ん」
いつもよりかなり低い声で名前を呼ぶと、総司の肩がびくりと跳ねた。
そして、読んでいた本を閉じて、俺へと視線を移す。
「へ、平助」
俺が何を言わんとしているのか分かっているのか、総司はバツの悪そうな顔をしている。
「おっ前!!せっかく俺が謝る機会やったってのになにしてんの!!?」
驚きと怒りを含んだ怒鳴り声を浴びせれば、総司は肩を窄めた。
「っせーな。俺はお前みたくそんな素直になんかなあ…」
ブツブツと1人で不服を呟いている総司。
俺はそんな総司の様子を見て、ため息を吐いた。
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